『性善説だけ』では生徒を伸ばすことなど出来ないハズ…

3週間続いた闘魂期間も昨日をもって終了となった。
毎度のことだがあっという間の怒濤の3週間だった。
 
さて、今年からDaichi上牧には新しいスタッフを迎え入れている。
彼女には中1と中2の社会を担当してもらっている。
彼女はDaichi上牧の卒業生だ。
私は当時Daichi真美ヶ丘校で指導していたので彼女を直接指導していない。
副代表の平見が彼女の生徒時代を知っている担当だ。
 
彼女の相棒は一台のタブレットPC。
そのタブレットPCには彼女の『塾講師の全て』が入っている。
(さすがにPCなので中身までは見ることができない。)
教材作成、私たちからの指導、生徒の様子、すべてをメモしているように思う。
 
私も様々なスタッフと共に働いてきたが、彼女ほど授業準備を念入りにしてくる者を見たことがない。
授業準備に『終わり』はない。
だからbetterである場合が多い。
しかし、彼女のそれは紛れもなく彼女が今できるbestなのだ。
とにかく、一回の授業にかける準備が凄まじいものである。
 
彼女の最大の武器、それは『全力の性善説のみ』で生徒に向き合えるところだ。
塾講師経験を長年積み重ねると、それと同じ数、いやそれ以上の子供たちの『嘘』『ごまかし』『言い訳』と向き合う。
もちろん、それらはあって然るべきなのだが、毎度毎度繰り返されると「おいおい良い加減にしろよ!」と思うときもある。
 
だから、嘘やごまかしをしなくてもいいようにあらかじめ手を打っておく。
これは経験があってなさる技術なのだが、時には生徒にとって苦しい壁を与えることにもなる。
生徒と向き合うということは『性善説』だけではどうにもならないことがある。
もちろん、いつかは自分の意思で頑張り出してくれると彼らを信じる気持ちを失ったことはこの仕事を始めてから一度もない。
この信じる気持ちを持てなくなった時は潔く塾講師を引退しようと考えている。
『積み重ねた経験』というフィルターを通して生徒たちを常に見ている。
長所と短所とは表裏一体なのだろう。
 
彼女にはまだその『積み重ねた経験』がない。
日々経験を積み重ねている最中なのだ。
私から見ると、彼女の指導は本当に眩しいくらいにキラキラと輝いて見えている。
一年目の特権なのかもしれない。
時にこの『特権』は『積み重ねてきた経験』を凌駕するときがある。
 
『がむしゃら』『まっすぐ』『生徒を信じる』
 
彼女の指導とはこれらの言葉が散りばめられたもの。
彼女の指導スタイルも性格も決して派手なタイプではない。
しかし、これらのプラスイメージの言葉がすぐに浮かび上がるシーンを垣間見ることができるのだ。
 
平見や私が生徒に関する話をしている時は、一言一句聞き漏らさないように一所懸命に相棒であるタブレットPCにメモを取る。
そして、すぐにそれを実践する。
これはなかなか真似できるものではない。
 
時には少し空気を読めなくてストップをかけることもあった。
彼女は担当している生徒の力をもっともっとつけたいと願って行動に移している。
若い頃はストップと言われるくらいの方がいいのだ。
そんな姿を見せつけられると、私もまだまだ負けていられないと奮い立たされる。
 
平見と私は『積み重ねてきた経験』を彼女へ惜しみなく伝える。
同時に、表裏などない『性善説だけ』の指導だけで彼女がどれだけ勝負できるのか見守っていこうとも考えている。
 
進学塾Daichi上牧 代表 堀居邦彦

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