定期試験で結果を出す方法⑤
定期試験で結果を出す方法も5つ目となりました。
来週月曜日から,Daichi上牧では闘魂期間が始まります。その関係もあり,連日投稿してきたこのシリーズも一旦終了とさせていただきます。読んでくれた中学生は,ぜひ期末試験に向けて実践してみてくださいね。
5つ目は「アウトプットを大事にする」ということです。
学習がうまくいっていない生徒ほど,問題演習や質問を嫌う傾向があります。主な理由は次の2つではないでしょうか。
「思考を伴わない作業の方が楽だから」ということと,「できないことが明確になるのが嫌だから」ということです。
前者に関しては,以前の記事でも書きましたね。思考の伴わない作業というのは,ノートまとめや,英単語・漢字を闇雲に書き続けることなどです。
ノートまとめが「目的」になってしまってはいけません。ノートまとめは,まとめたノートを使って学習することが「目的」であるはずです。
「覚えるにはとにかく何度も書くしかない」と考えている中学生はかなりたくさんいますが,覚えたかどうかをチェックテストで確認してみることをおすすめします。頭の中にある知識を出そうとすることこそが,知識の定着につながります。何度も書いて練習することも大切ではあるのですが,闇雲にインプットしようとするのではなく,アウトプットに目を向けてみましょう。
「インプット:アウトプット=3:7」が理想的です。
さて,後者に関してですが,これはかなり根深い問題だと思っています。
そもそも学習の目的は「できないことをできるようにする」ということです。「できないことを見たくない」というのは,学習することの目的を根本から否定することです。これでは,成績を伸ばしていくことなど不可能ですよね。しかし,自己分析が甘くプライドが高い子ほど,こういった状況に陥ってしまうケースが多いです。
・問題を解いても丸つけをしない。
・間違っていた答えを書き直して○にする。
・やたらと△をつけたがる。
・間違えた問題に×をつけない(×が異常に小さい)。
問題演習を避けること以外にも,上記の様子が見られる子は注意が必要です。現時点ではそれなりに点数が取れていても,どこかで付けが回ってきますよ。
現在できないことが,時間の経過に伴って勝手にできるようになるということは絶対にありません。それに,各教科で新しいことを学習し続けていくわけですから,未来の自分には想像以上に大きな負担がのしかかります。できないことやわからないことは,放置せずにすぐ解決しておくことが大切です。
そして,まずはできないことを正しく把握するために,問題演習をしなければならないのです。
しかし,定期試験に向けて問題演習をする場合,試験範囲全体の知識を覚え直してから問題演習に取り組もうとする子がいます。定期試験はいくら範囲が限られているとはいえ,範囲全体で見ると覚えないといけないことはそれなりにたくさんあります。それを教科書やテキストを読むことだけで覚えきるというのは,かなり難しいことです。むしろ,知識を定着させるために問題演習を使うという意識をもつべきです。
まずは範囲を単元ごとに細かく区切って,知識を入れましょう。そして,知識を入れた単元の問題を演習しましょう。問題演習によって,覚えるべきポイントをさらに明確にすることもできますし,問題を通じて理解を深めることもできます。問題演習にはこういったメリットもあります。ですから,学習の苦手な子ほど早い段階から問題演習に取り組むようにするべきです。そして,必ずこまめに丸つけをしましょうね。試験範囲のページをすべて解いてから,まとめて丸つけをするなど言語道断です。同じ間違いを何度も繰り返していたとなれば,非常にもったいないですよ。
試験範囲を細かく区切って,インプットとアウトプットをこまめに行いましょう。
また,問題演習1回目ですべての問題が解けるに越したことはありませんが,なかなかそうはいきません。最初はバツがついても構わないのです。それを試験本番までに,マルに変えていけばよいのですから。むしろ,間違った問題があるということは,伸びる可能性があるということです。バツをマルに変える努力は絶対に怠ってはいけません。
成績の良い生徒ほど,こまめに丸つけとやり直しをしていますよ。
Daichi上牧では,成績の良い生徒や伸び盛りの生徒ほどたくさん質問に来ます。そういった生徒は,わからないことがある状態が気持ち悪いのでしょう。自分で調べて解決することも良いですが,質問をするというのは非常に良いアウトプットです。質問をすることは,わからないことを受け入れてできるようにするための行為です。どこまでがわかっていて,どこからがわからないのかを明確にし,それを言語化して相手に伝える。正しい質問は,質問をするまでの過程においても,大きく理解を深めることにつながります。
しかし,楽に答えを教えてもらうためだけに質問に来る生徒が,たまに現れます。そういう場合は答えを教えずに,もう一度考えさせます。このあたりを見極めることも,生徒の学力を伸ばすためには必要です。
正しく質問をしたあとには,必ずすぐにやり直しをしてみましょうね。説明してもらったことが理解できたかを確認するためです。そして,時間を置いてから再度解き直しをして,定着しているかを確認してみましょう。
また,よほどの天才でない限り,1回で完璧に知識が定着するということはないでしょう。もちろん「1回で完璧にするんだ!」という意識で取り組むことは必要ですが,なかなかそうはいきません。それに,時間が経てば忘れてしまうことも当然あります。これはある程度仕方のないことです。だからこそ,何度も繰り返しやるということが必要です。
そして,成績の良い生徒ほど「反復の必要性」を理解していますから,問題演習やチェックテストといったアウトプットを何度も何度も繰り返し,自らの定着度を確認します。そして,足りない部分を補い,定着度を100%に近づけていくようにするのです。
学校のワークは1周しただけで終わっていませんか?すべての問題を自力で解けるように,何周も繰り返し取り組んでみましょう。驚くほどに結果が変わるはずですよ。
まとめると,
☑ 「インプット:アウトプット=3:7」 アウトプットこそが知識の定着につながる。
☑ 試験範囲は細かく区切ってインプットとアウトプットを行う。丸つけをまとめてすることは厳禁!
☑ 問題演習から逃げない。
☑ わからないこと・できないことを受け入れ,すぐに解決することが大切。
☑ 正しく質問をすることは学習効果大。
☑ 定着には反復することが必要不可欠。1回やっただけで完璧にはならない。
ということです。
最後までご覧いただき,ありがとうございました。
塾通いをしていない中学生にも,期末試験に向けての取り組みに役立ててもらえると幸いです。
進学塾Daichi上牧 校長 平見優樹