定期試験で結果を出す方法 番外編①

今回は番外編です。
このシリーズを読んでいただいている保護者様から,2点ご質問をいただきました。個別でのお返事はすでにさせていただいたのですが,同じように疑問に思われている方もいらっしゃるかと思いましたので,こちらで改めて回答させていただきたいと思います。

塾で言われる「学習は質より量」という言葉の意味をもう少し具体的に教えてほしい。

学習の質とは「時間あたりの効果」であると,私は考えています。
英単語の暗記を例に挙げてみると,

「今までは1時間で10個しか覚えられなかったのに,同じレベルの単語を1時間で15個覚えられるようになった」

「今までは3日経てば10個覚えた単語のうちの5個しか記憶に残っていなかったのに,7個が記憶に残っているようになった」

こういったことが,学習の質の向上にあたると考えています。

 

しかし,多くの中学生は,まず10個の英単語をきちんと覚えきるということができないのです。

きちんと覚えきるためには,

① (声を出せない状況では頭の中で)発音しながら練習する

② 覚えたかを確認するために自分でテストをする
 (Daichi上牧ではチェックテストと呼んでいます)

③ チェックテストで書けなかった単語を覚え直す

④ 再度チェックテストをして,覚えたかを確認をする

ということを,すべての単語が書けるようになるまで繰り返す必要があります。

しかし,自分一人でここまで徹底できる中学生は少ないものです。だからこそ,塾などの「環境」や「他者」の力を借りるのだと思います。

私たちが大切にしている学習量とは,机に向かっていた時間ではありません。学習したことの量です。長い時間座っていれば「できる」ようになるわけではないですからね。
しかし,きちんと「できる」ようにするためには時間が必要であることもまた事実です。

英単語の例に戻りますが,今まで覚えるという経験をほとんどしてこなかった子は特に,練習(インプット)とチェックテスト(アウトプット)のバランスが悪いケースが多いです。覚えたかどうかを気にせずにひたすら練習をしていたり,覚えてもいないのにやたらとチェックテストをしたりしてしまうのです。時には,間違ったスペルで練習をしていることもあります。こういったこともあるので,覚えきるまで非常に時間がかかるのです。もちろん,理想的なインプットとアウトプットの比率(インプット:アウトプット=3:7)を伝えることや,間違って練習しているところを指摘することもしますが,なかなかすぐに改善というわけにはいきません。
しかし,正しい方法を徹底し続ければ,時間のかかる子も少しずつですが確実にできるようになっていきます。
まずは「できる」までやりきることが大切なのです。

そして,正しく学習する経験を積んでいけば,覚えるときのポイントや,チェックテストに移るべきタイミングなど,いわゆる学習のコツをつかんでいきます。また,現時点での自分の能力もわかってきますから,「できる」までに必要な時間にも目処が立つようになるでしょう。そうすると,より短時間で「できる」ようにするためにはどうすればよいか,というような工夫も生まれてきます。これが学習の質の向上につながっていくのです。

私たちが伝える「正しい学習方法」というのは,あくまで最低限の「型」です。生徒たちには「型」を身につけた上で,是非自分なりに工夫を凝らしてほしいと思っています。ただし,いつも伝えていることですが,「型」を身につけずに我流で学習をしても結果を出すことはできませんよ。我流で結果を出せるのであれば,そもそも塾通いをする必要は無いですから。

私たちが伝える「まずは質より量が大切だ」ということの意味は,わかっていただけたでしょうか。

やるべきことができていない中学生ほど質を求めがちです。しかし,それは正しく学習することが面倒なので,質を言い訳に使っている場合がほとんどです。四の五の言わずに,まずは「できる」まで徹底的にやってみましょう。
質はあとから付いてくるものです。

そうして「時間あたりの効果の高い学習」ができるようになれば,また「できる」ことも格段に増えていくでしょう。

もう1点については,次回の記事で改めてお答えしたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。
ではまた次回。

 

進学塾Daichi上牧 校長 平見優樹

 

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