定期試験で結果を出す方法④
今回のテーマは「学習内容の見える化」です。
Daichi上牧の塾生たちは,闘魂期間中の学習内容を「学習管理シート」というものに記録していきます。学習管理シートを記入する目的は,客観的に自らの学習内容を把握し,分析するためです。しかし,最初から学習内容を正しく分析できる生徒はなかなかいませんから,シートの内容には私が目を通し,コメントを添えて返却するようにしています。定期試験で結果を出す生徒ほど,このシートをうまく利用します。
学力の向上において必要なことは「自分のできないこと・苦手なことと向き合う」ということです。
・覚える気もなく,ただノートをまとめているだけ
・英文の意味や構造,含まれる文法事項も理解せずにただ書きなぐるだけ
・理屈も理解せずに,ただ問題の解説を写しているだけ
いくつか例を挙げてみましたが,このような思考の伴わない作業ばかりをしていませんか?長時間机に向かっていても,このような作業ばかりしていては結果につながりません。
いくらきれいにまとめたノートでも,それを試験中に見ることはできません。ノートにまとめた情報は,頭に入れておくことで初めて試験中に使うことができるようになります。英文や問題の解説をいくら丸暗記しても,単語や数字が少し変わるだけでそれは別物に見えるでしょう。理屈を理解した上で,使えるようにしておくことが大切です。
しかし,多くの中学生はこういった作業をしたがります。なぜなら圧倒的に楽だからです。それに,とりあえず「長時間机に向かっていた」という事実はできますから,都合が良いのでしょう。「自分のできないこと・苦手なことと向き合う」というのは,なかなか一人では難しいことのようです。
塾生の学習管理シートを見ていても,中学生としての学習に不慣れな中1生や入塾して間もない生徒は,自分の好きな教科や学習しやすい教科から学習を始めたり,チェックテストもせずに非常に長い時間を暗記に使っていたりします。反対に,定期試験で結果を出している生徒は,苦手教科から学習を始めるようにしています。ですから,自然と苦手教科の学習量を確保することができています。もし,苦手教科の学習量が少ない状況になっていても,学習管理シートを見れば一目でその状況が把握できますから,試験本番までには修正することが可能です。
また,学習内容を記録することによって,次の日の予定が立てやすくなるというメリットもあります。現状が把握できているので,次の日にしなければならないことが明確になるのです。
定期試験で結果を出す生徒の特長として,無駄な時間の少なさが挙げられます。
「席につくとすぐに教材を出して学習を始める」「学習する教科の切り替えがスムーズである」というようなことです。これは,その日にやるべきことが明確になっているからこそできることです。
反対に,定期試験で点数を取れない生徒は,無駄な時間が非常に多いです。鞄の中が散らかっていて教材を準備するのに時間がかかったり,「次は何をしようか」と悩んでいる時間が長かったりということです。やらなければならない教材を持ってきていないということもあります。きちんと学習内容や予定を把握せずに,行き当たりばったりで学習しているので,こういったことが起こるのでしょう。
また,学習管理シートの内容と返却された試験結果とを照らし合わせてみると,やはり点数の悪い教科は学習量が少ないということが多いです。苦手教科の点数が取れないことに対して様々な理由を考えがちですが,根本的な原因は非常に単純で,学習量が不足しているだけであるケースがほとんどです。まずは,苦手教科の学習量を一番多くしてテストに臨んでみましょう。それだけでも結果は変わるはずですよ。
学習内容を記録することによって,日々の学習の中にある問題点を浮き彫りにすることができます。そして,そういった問題点に気づき,改善するために試行錯誤することこそが,自学力の養成につながると考えています。
最近では,様々な種類の学習管理ツールが市販されています。長時間学習をしているのに思うような結果につながらない中学生には,学習内容を正確に記録して,分析してみることをおすすめします。
がむしゃらに取り組む「熱さ」も大切ですが,現状を正しく客観視する「冷静さ」も併せ持っておきたいですね。
まとめると,
☑ 学習内容を見える化して分析する
☑ 思考の伴わない作業に時間をかけない
☑ 苦手教科から学習を始める
☑ 寝る前に次の日の学習予定を立てておく
ということが大切です。
正直なところ,定期試験で点数を取ることだけを考えるのであれば,もっと楽で即効性のある方法はあります。しかし,目標点を達成するために必要なことが何かを,生徒たち自身が常に考えながら行動する。生徒たちのそうした経験を,Daichi上牧の闘魂期間では大切にしています。
そして,長い目で見るとそうした経験から得たものが生徒たちの大きな力になるのです。
最後までご覧いただき,ありがとうございました。
ではまた次回。
進学塾Daichi上牧 校長 平見優樹