粛々と、淡々と、自分の弱さと向き合う強さ

 
今週の上牧中学校は学年別の体育大会が開催されている。
生徒たちが普段塾内では見せない様子を見たいので、毎年お邪魔させていただいている。
たまたまうちの塾に通っていただいている保護者の方が校長先生とお話しされていたのでご挨拶もさせていただくこともできた。
 
「密になるなー、隣の人と間隔開けろー!」
「競技中はマスク外すんやでー!応援席で待機している時は着用なー!」
体育の先生であろうか、しきりにアナウンスをする。
 
生徒たちはというと例年の体育大会と比べて不慣れな動きをしている。
練習もほとんどせずのぶつけ本番なのだろう、お世辞にもテキパキと機敏に動けていると言えるものではなかった。
 
新型コロナウイルスの影響で以前までの『当たり前』はそれでは無くなった。
 
しかし、そこには学校の先生方の生徒たちへの『愛情』を垣間見ることができた。
生徒たちにとってコロナだろうが何だろうがそんなもの関係はない。
一度きりの中学生生活なのだ。
中学校生活に『意味』を持たせてやりたい、今しか味合わうことができない『経験』をさせてやりたいという想いの元、知恵を絞り出されて運営されていたように感じた。
 
生徒たちは楽しそうに競技に取り組んでいたように思う。
 
中3生は火曜日が体育大会、水曜日は日帰り修学旅行だった。
体育大会当日、流石に今日は疲れているだろうし、明日も朝が早いので自習室には来ないだろうと校長の平見と話していた。
 
すると、17時頃からひとり、またひとりと自習室に来るのだ。
 
普段と違う行事が行われようがいつも通りに塾に来る。
塾に来たらいつも通りに席に着く。
席に着くといつも通りにテキストを開いて問題を解き始める。
問題を解いてわからないところをいつも通りに質問に来る。
質問に来たらいつも通りに自分で解けるようになるまでやり直しをする。
 
彼らにとっての『いつも通り』は、粛々と淡々と進んでいく。
自分にとっての弱点といつも通りに向き合う。
 
そんな彼らの行動を見て、心の底から嬉しかった。
「それでええねん、それがええねん」と心の中で何度も何度もつぶやいた。
 
もちろん、疲れて来ている生徒もいた。
勉強開始時は少し眠たそうに疲れた様子を見せていた者も、すぐに気持ちを切り替えて皆が集中して学習に取り組んでいた。
 
進学塾Daichi上牧のいつも通りの自習室。
ダラけている雰囲気など一つもない。
 
なぜ、そのような空間となるのか。
強制的に来させられている者がいないからだ。
皆が、自分の成績を伸ばすために、自らの意志で行動しているのだ。
 
校長の平見が手塩にかけて育て上げてきた2020年度Daichi上牧中3生だ。
 
水曜日、一日修学旅行があった日。
塾の授業は休講としていたのだが、教室にはいつもの顔ぶれが数人ではあるがあった。
 
粛々と、淡々と自分の弱さと向き合う。
大人ができないことをやってのける彼らは私たちの誇りだ。
 
人生の中で周囲が理解できないくらい驚くほど人して成長する瞬間というものがある。
もしかすると彼らにとってそれが『今』なのかもしれない。
 
Daichi生が思い描いているゴールを共に見たい。
 
進学塾Daichi上牧 代表 堀居邦彦

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