石田勝紀先生の講演会に参加して 2

マルチタスク型かシングルタスク型か
 
『価値観』という観点で分類したときに人間には二つのパターンが存在する。
『マルチタスク型』と『シングルタスク型』の二種類。
 

『損or得』のマルチタスク型

このタイプは損得勘定が価値判断の重要な要素になるタイプの人間。
無駄や遠回りが嫌いで、何事も最短ルートでタスクを完了させたいタイプ。
ただし、集中力がなく、すぐに目移りしてしまうことも。
このタイプは大人になったときに先生という職は向いているそうです。
先生は生徒全員に目配せ出来ないとダメですもんね。
ちなみに私は完全にこちらのタイプの人間です。
細かいことが苦手で、さらにとにかく面倒くさがりです。
 

『好きor嫌い』のシングルタスク型

このタイプは自分の好みが価値判断の重要な要素になるタイプの人間。
好きなことにはトコトンまで追求する姿勢があります。
根気強く最後までやり切る力を持っています。
ただし、一つのことに集中しすぎて時に周囲が見えなくなってしまうことがあり同時並行でタスクをこなすことが苦手とされています。
職人気質の人と呼ばれるタイプの人が多いでしょうね。
 

あなたはどちらのタイプ!?

以下は、自分がどちらのタイプの人間かを判断する例です。
 
レストランに行くときにあなたは何を一番の価値基準としていますか!?
 
『値段(コストパフォーマンス)』を最優先事項とした人はマルチタスク型のタイプ。
それに対して『味(自分がとにかく食べたいもの)』を最優先事項した人はシングルタスク型のタイプとなります。
 
私は先程述べた通りマルチタスク型の人間なので、とにかくコストパフォーマンスを重視します(笑)
お金を払っているのに『ハズレ』を引くことが大嫌いです。
この世の中に中華料理屋は星の数ほどあるにも関わらず、結局『餃子の王将』に行きます。(笑)
冒険したことで『ハズレ』を引くくらいならば、すでに美味しいと分かっている『アタリ』に行こうと思います。
一方で私の妻はシングルタスク型のタイプです。妻と出会ってから今まで自分が行ったことのないようなお店に行くことが出来ました。(笑)
 

どちらがイイ!!と言うわけでは決してない!!!

20世期型社会で必要とされていたのはマルチタスク型のタイプと言われていました。
学校の成績や入試の合否判定は5教科で判定されます。
言い換えれば、どの教科も満遍なく出来ることを一つの目標とされています。
 
それが今後の21世期型社会では今までの『価値観』が大きく変化していきます。
適材適所でそれぞれの能力を活躍させる社会の到来です。
今後はシングルタスク型の人間が活躍の場をどんどん広げていくのではないでしょうか。
ちなみにAI(人工知能)に代用される仕事はほとんどがマルチタスク型の仕事と言われています。
私はこのままではマズイですね。ウカウカしていられません(笑)
 
『これだけは他の人には負けないよ!』という価値観が大切とされる時代です。
言われたことをこなす時代から、自分の能力を磨き、その能力を最大限に活かせる場所を見つける力を身につけておかなければならないでしょう。
20世紀型社会に比べて、自由に選択できる幅は21世期型社会の方が確実に広がっています。
ただし、自由が何もすべてにおいて良いというわけではありません。
自由ということは答えの無い社会の中を自分の力で道を切り拓いていく必要があるのです。
 
石田先生は講演会の間、何度も以下のフレーズを話されていました。
 
『どちらが正しいと言うもので決してない!!どちらも正解!!!』
『人材育成最大の原則は長所をさらに伸ばすこと。短所はいじらないし、何よりもいじれるものではない。短所をいじることが許される者は聖人君子(神様や孔子レベルのすごい人)のみ。』
 
そうなんですね。
ついつい自分の価値観を押し付けてしまっていることがあるのです。
ダメだって分かっていることなんだけど、我が子に強く言ってしまう。
そんなことってありませんか?
私であれば、生徒に対してとなります。
 
なぜ、わかっているのに強く言ってしまうことがあるのか。
それは、『我が子(生徒)には極力遠回りをさせずに成功してほしい』という親心。
しかし、この親心と言うのは当たり前のことすぎて我が子にはうまく伝わらない。
いや、うまく伝える方法がたくさんありすぎて、どれが正解かを見つけることが難しいと言ったところでしょうか。
 

最後に

私が塾講師駆け出しの頃からお世話になっている恩師がいます。
中学生の頃に通っていた塾の国語の先生で、塾講師になってからは私のチームで一緒に働いた仲間でもあります。
私が校舎の学部責任者をしている頃にその方に頻繁に言われていた言葉があります。
 
『おまえは少し自分の価値観を押し付けてしまうところがある。』
『頑張ろうとしているが、今はまだ頑張れない弱い人間の気持ちを理解してあげることも大切なんだ。』
 
自分の下で働いているスタッフ、自分が受け持っている生徒たち、彼らの『今』の気持ちを汲み取る、時には長い時間をかけてでも解きほぐすこともある。
そうやって『その人の成長にお付き合いする』ことが大切なんだと。
 
そうなんです、勉強するのは子供なんです。
私たち大人ではないんですよね。
子供たちが勉強することが必要だと気付くまでじっくり待つ。
 
ただし、私たちには入試という一つの期限があります。
その期限までに少しでも早く気付かせることができれば、入試までに自らを磨く時間を確保出来ます。
Daichi上牧生一人ひとりの最善策とは何かを私たちはスタッフ全員で今後も考えていきながら指導にあたっていきたい。
そんなことを考えながら講演会に参加していました。
 
進学塾Daichi上牧 代表 堀居邦彦

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