生徒の学力がグイグイと伸びる授業とは

まずは結論から。
極論を言うと、『授業をしない』ということだろう。
言葉が少々乱暴だったのでオブラートに包んで言い直すと以下のようになる。
 
『単元導入は究極にシンプルに。
 たっぷりの演習時間を生徒たちに与えて問題を思考させる。』
 
生徒の学力をグイグイと伸ばす先生の授業は意外にも静かだ。
1時間の内に先生がずっとしゃべっている授業は生徒たちにはわかりやすかったり、おもしろく感じたりするだろう。
私もそういった授業をする時もある。
しかし、そういった授業を毎回していても生徒の力を伸ばすものにはならない。
学力をグイグイと伸ばすには、自分で解けるようにしなければならないからだ。
 
私も若い頃はたくさんの先輩方の授業を聴講した。
授業が上手い先輩の姿を見て強い憧れを抱くこともあった。
 
目標とする先輩の授業にグイグイと引き込まれていく生徒たち。
その様子を目の当たりにすると『あの先輩のようになりたい!』と思うのだ。
その先輩の一挙手一投足を何度も何度も真似てみた。
なかなかすぐにはうまくいかない自分にもどかしさを感じた。
とにかく、若い頃は授業の腕を磨こうとした。
そして、あの時の経験は今に生きている。
 
しかし、わかりやすい授業をしていたら、生徒がぐんぐんと学力を伸ばしていくかと言えばそうではない。
むしろ、噛み砕いた優しい授業をすればするほど、生徒の伸びを感じなくなっていった。
わかりやすい授業とは『教えすぎる授業』になっているケースがあることに私は気づいた。
 
教えすぎると生徒たちから思考する時間を奪う。
学習において最も大切なことは思考することだ。
 
なぜ、そこに補助線引くのだろうか。
この英文の主語はどこまでなのか。
このワードから連想される出来事とは何なのか。
 
思考を共わない学習など、もはやそれは学習とは言えない。
そういった授業になってはいけないと私たち塾講師は肝に命じておく必要がある。
生徒たちには脳味噌をフル回転させて、脳に汗をかくような授業展開を私たちは心掛けていきたい。
 
進学塾Daichi上牧 代表 堀居邦彦

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