湿ったココロに火はつかない

 
「この子にとって先生は熱い炎のような存在です。」
あるお母さんからの言葉です。
送迎時の何気ない立ち話の中でふっとお母さんがそうおっしゃったのです。
 
嬉しすぎましたよ、このお言葉。
私と平見がこだわって日々指導していくなかで評価していただいた瞬間ですもん。

その生徒とは…
中2の終わりごろに進学塾Daichi上牧に入塾しました。
それまでは大手塾に通っていました。
なかなか火がつくこともなく、のらりくらりと過ごす日々だったそうです。
 
このままでは、マズイ…。
お母さんは塾選びを始められたそうです。
条件は、きちんとひとり一人に目が届いている塾。
また、子供の個性を受け入れてくれる先生がいる塾だったそうです。
 
その頃、お母さんはその子にこのようにお話されていたそうです。
「あんたは今は湿った木やねん。湿った木はまず乾かさなあかんねん。乾燥した木はよく燃えるんやで。だからまずはあんたのその湿った状態を乾かせるぐらいの熱い塾を選ばなあかんねん。」
 
その中で選んでいただいたのが進学塾Daichi上牧だったそうです。
入塾当初、この子は結果が出るまで時間がかかるなと私たちは思いました。
 
その理由は…、
まぁ、とにかく誤魔化すのです。笑
湿っている状態です。当然のことなのかもしれません。
 
宿題をしてこない。
塾に来ると約束していた時間に遅れる。
もちろん、到着してからはサボっていたことを誤魔化す、言い訳をする。
厳しく指導した時には、怒られることが嫌になり塾を飛び出してしまうこともありました。
そのような状態が続いていました。
 
きっと今まで彼に関わってきた大人が、彼の誤魔化しを見抜けなかったのか。
もしくは、気づいていたが見て見ぬふりをしていたのか…。
何度も何度も誤魔化しては、後悔する。このことの連続でした。
 
その都度、副代表の平見が何度も何度も話をしました。
時には、お母さんにも塾まで足を運んでいただくことも…。
 
『弱い自分と向き合え。』
『自分に誠意を持って接してくれる人には、自分も誠意を持って接しなさい。』
平見がその子にずっと伝え続けてきたことです。
二者面談をしているシーンを私は何度目にしたことでしょう。
平見が怒れば私がフォローへ。その逆も何度もありました。
 
平見も私もそう簡単には折れません。
『伝え続ければ必ず伝わる。』信念を持って指導しています。
時には、その想いが伝わりきらず退塾にせざるえないケースもあります。
それは事実です。
 
しかし、私たちは「子どもたちの甘さ・弱さ」には決して迎合しません。
もちろん、頭ごなしに圧力をかけるというわけではありません。
伝わるまで想いを伝え続けます。
「今は苦しい状態が続いていても、必ず結果は出る。」と。
 
『七転び八起き』
『勉強が出来ないから塾に来る。』
いいじゃないですか、とことん付き合いますよ。
それが進学塾Daichi上牧という場所です。
 
その生徒は少しずつ、本当に少しずつですが頑張っていきました。
頑張った道のりは、後日このブログでお伝えできればと思います。
 
そして、今があります。
もちろん、うまくいかないことはあります。
課題も思うように進まないことだってあります。
自習室でついうとうと居眠りをしてしまうことだってあります。
 
しかし、以前のような弱い部分を見せることはありません。
出来ない自分を受け入れる。そして勉強が出来るようになりたいと自らが望む。
彼は学習の第一歩に必要な心構えが何たるかを理解したようです。
 
お母さんと立ち話をした次の日にたまたま職員室にやってきた彼はこう言いました。
 
「俺、今日塾の夢をみてん。数学のやりなおしを頑張って平見先生に認めてもっている夢。」
「平見先生に『まだまだやな。』って言ってもらえるねん。だから今日も自習頑張るわ。」
 
平見の『まだまだやな。』とは、
『まだまだやな。(けど、自分なりに頑張っているやん。)』という含みがあるのです。
 
彼に取って、平見に評価をされることは本当に嬉しいことなのでしょう。
自分が苦しかった時、心が折れそうになった時、何度も何度も力強く押したり引っ張ったりしながら前に進もうと共に歩んでくれた存在です。
 
今の彼は湿った状態ではありません。
カラカラに乾いています。後はそこに火をつけるだけです。
自分の力で、高校入試を突破できる素地が出来上がってきました。
あとは自分で燃やし続けるのです。
『今の自分よりも少し高いところを目指したい。』
私たちは子供たちのこの気持ちを大切に日々指導してまいります。
 
代表 堀居邦彦

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