『型を守る』ことの大切さ

 
 

子どもは復習が嫌い

先日の中3授業でのこと。
 
授業内で演習と解説をした問題の確認テストを行いました。
もちろん、新出単元や一度解いて間違えた問題は必ず復習をする旨は口酸っぱく伝えています。
それこそ耳にタコができるくらいに。
 
しかし、子どもたちは『復習』というものをどうも嫌う節があります。
面倒くさいっていう気持ちが強くなってしまうのか。
あるいは、理屈を理解しないままに答えを覚える程度のやり直しで満足というケースも。
 
テスト後、相互採点をさせてから点数をヒアリング。
 
出るわ、出るわの間違い。
当然、そうなることをこちらは予想済み。
日々の復習がいかに付け焼刃なものであるのかを生徒たちは痛感したはずです。
そのことを身をもって体感させることがこの確認テストを実施した最大の意義でした。
 
中学校での9月度実力テストを皮切りに、中3生はテストの連続。
テストの結果は当然のことながら志望校を決定する上での重要な参考資料となります。
自分の夢(志望校)に直結するのであるから、否が応でも力が入るものです。
進学塾Daichi上牧の中3生も、授業中の顔つきは少しづつではあるが受験生のそのものになろうとしている者が出始めました。
しかし、この時期になっても丁寧なやり直しの重要性に気づけていない者がいるのもまた現状です。
まだまだ私たちの指導が足りていないということでしょう。

完璧にやり直しをしてきた彼女とは

点数をヒアリングしていく中で、一人だけ間違いゼロの生徒がいました。
その生徒はクラスの中で最も成績が良い子。
 
他の生徒たちはこう思ったに違いないでしょう。
『だってあの子はかしこいからな…。』と。
 
これは大間違い。
なぜ、彼女がクラスで最も成績が良いのでしょうか。
 
彼女の課題は自由英作文。
夏期特訓前から苦手意識を持っていた。
自分の書きたいことばかりを書いてしまい、文の構成が出来ていない。
また、その場の思い付きで書くから文法や単語のスペルミスを頻発する。
いわゆる、答えを書いてはいるが完答をもらえない答案だった。
 
そして、彼女は『型を守る』ということを少し面倒くさがるところがあった。
「まぁ、0点ではないし、部分点はもらえるから…。」と言ったようにである。
やり直しをしてもどこか自分のやり方が正しいと思い込んでいて、中途半端な部分もありました。
 
彼女は夏期特訓を経て、自らが目標とする『点数を取る』ことの難しさを理解したように見えました。
同時に焦りが生まれます。自分はこのままでいいのか。
このままのペースで間に合うのか。
やり直しの精度が見違えるようによくなっていきました。
 
そう、彼女は『型を守る』ということをし始めたのです。
授業中に解説をした通りにやり直しをしてくるようになりました。
中1の頃から何度も何度も言い続けてきたことがようやく一つの『型』になった瞬間でした。
 
今回の確認テストで自由英作文の問題も出題しました。
前回の授業中に私が書き方を指導した問題です。
彼女は演習時にその問題を間違えていたのです。
 
確認テストの彼女の答案を見ると、私の書いた通りの『型』を守って書いていました。
『型』を守ることを面倒くさがっていた彼女にとって劇的な進歩です。私は本当に嬉しかったです。
同時に彼女が現状の成績より今後さらに伸びていく可能性がある大きな器を手に入れたのではないかと思います。
 
この仕事をしていて、自分の指導したことが生徒に伝わり結果を残すことができるほど喜ばしいことはありません。
 
私は点数ヒアリング後に、『型を守る』ことの大切さと、彼女のことについて生徒たちに話をしました。
彼女は少し恥ずかし気な様子ではいたが、どこか嬉しそうな面持ちでした。

『型を守らせる』ことは悪い事!?

『型を守る』というと詰め込み教育だの、自由な意見が失われるだのと言った声を耳にするが、果たして本当にそうなのでしょうか。
 
日々の何気ない行動、例えば箸の使い方、字の書き方などはすべて親から子へ伝えられたものです。
当然、真似をすることからスタートします。
教えてもらったことを真似し続けることで、ひとつの『型』がそこには生まれる。
その『型を守る』ことで『定着』し、新たな能力を身に着けるのではないでしょうか。
 
進学塾Daichi上牧では、全ての学年・コースにおいて正しい学習方法を実践するように指導しています。
正しい学習方法が身に着けば、子どもたちは自らで一歩を踏み出そうとしていくものです。
子どもたち習得に関するスピードは十人十色です。
こちらが焦らず、根気強く、時には叱咤激励をしながら、今後もしっかりと学習における正しい『型』を教え込んでいきたい。
 
代表 堀居邦彦

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